この3Dテクスチャは、元々エイリアシング(*1)が発生しにくく、柔らかで滑らかな質感を表現できるボリュームデータにLOD(*2)を採用することで視点との距離が変化してもエイリアシングの発生を抑えることが可能となります。

また見る方向によって色や見かけの大きさが変化するオブジェクト、つまり微細な表面構造を持つオブジェクトは、単純な濃度値としてのボリュームデータ(*3)では対応できないため、オブジェクトメッシュの法線ベクトルを考慮したボリュームデータ形式を採用すことにより、ポリゴンメッシュ(*4)をシェーディングした場合と変わらないリアルな、視点変化による色や、Shade(陰)、Shadow(影)の変化をレンダリングすることができます。

「3Dテクスチャ・シェーダ」では、3Dテクスチャの配置領域をバウンディングボックス(*5)として定義します。 シーン上では単純な形状のバウンディングボックスとして扱うため、複雑な形状のオブジェクトをポリゴンのまま扱う場合に比較し、多数のオブジェクトを置いても操作レスポンスが高速になります。

*1 エイリアシング
微細構造(高周波成分)の離散的サンプリングによる認識誤り

*2 LOD
複数解像度ボリューム

*3 ボリュームデータ
形状モデルの特徴ベクトルからなる3次元配列

*4 ポリゴンメッシュ
境界面の明確な多面体モデル

*5 バウンディングボックス
ボリュームデータが格納され、多面体で構成された単純な形状のオブジェクト

 

映画等の映像業界における、CGの表現がよりリアルな物になりつつある中で自然の表現技術が注目されています。 しかしながら、CG技術の中で、森林、草原、雲、雪、炎、煙、毛、布など*1の、微細(表面)構造を持った、自然物体の質感のあるリアルな映像を制作することは大変困難でした。

現在、3次元CGソフトで標準的に使われている幾何モデルは、ポリゴンモデルであり、CG画像を生成するレンダリング技術もそのポリゴンモデルに対するものです。 そのため、微細な表面構造を持つ物体、例えば、森林、草原、雲や雪、毛などを表現するためには多量のポリゴンが必要です。 また、デジタル信号処理に共通する問題(エイリアシング)が起こるため、生成映像の品質が著しく低下します。 特に、ウォークスルーなどのアニメーションにおいては、このエイリアシングが対象物全体における“ちらつき”として顕著に表れます。

*1 炎と雲のパーティクルシミュレーションは、現在開発中、発売予定です。

 


詳しくはinfo@jfp.co.jpまでお問い合わせください。

株式会社ジェーエフピー